助産師としての後悔

2006年12月14日
今日は遅出勤務で10時出勤しました。

10時半、お隣の席の在宅看護論担当H先生が
講義を終えて帰ってきました。

「おはよう」って声を掛けたら
目がウルウル。泣き出しました。Σ(- -ノ)ノ エェ!?

「先生、どしたん?」って聞いたら
今、認知症や老人虐待の講義をしてて
自分のおばあちゃんのことを思い出しちゃったんだって。
今、考えてみれば私も虐待してたんじゃないか・・・って。
昔の記憶がフラッシュバックしてきたみたい。
「学生に講義する身で情けないわ・・・」と言いながら
2限目の講義に上がって行きました。

H先生、ちょっと更年期なお年頃で
少〜し精神状態不安定だったりするんですが
なんか、気持ちがとってもよく解るような気がして
朝っぱらから貰い泣きしてしまいました^^;

学生に講義する身ですが
本音と建て前、理想と現実。
みたいな葛藤、たっくさんあります。

偉そうに講義してますが
助産師として誇れる仕事ばかりしてきたわけじゃない。
未熟だったこと、後悔してることもたくさん。

中でも忘れられない後悔・・・
それは不妊治療の結果、要胎、つまり4つ子ちゃんを妊娠した妊婦さんが
入院してこられたときのことです。

私はその妊婦さんの受け持ちになることとなりました。
入院してこられたら、いろいろお話を聞かせていただくのですが・・・
その時に大後悔の出来事がありました。

実はその4つ子ちゃんが入院してこられる少し前、
やはり不妊治療で3つ子ちゃんを妊娠された方がいたのですが
すごく悩まれた末、減数手術を受ける決心をされました。
3人のうちの1人を・・・言葉は悪いですが間引いて2人にする手術です。
もちろん、うちの病院ではそのような手術はできません。
そんな手術をしてくれる病院へと移られました。

そんなことがあったので、この4つ子ちゃんのお母さんや
ご主人をはじめとする周りの方は
きっと戸惑っているだろう、
子どもは欲しかったけど4人もなんて・・・
と思っているだろうと勝手に思い込んでました。

「4つ子と聞かれてのお気持ちはどうですか?」
「ご家族はなんとおっしゃってますか?」と聞いた私は
きっととっても気の毒そうな顔をしていたと思います。

ですが、帰ってきた答えは
「私も主人もとても喜んでます」でした・・・

ガ〜ン!と頭を殴られた気がしました。
私はなんてことを聞いたんだろうと思いました。
4つ子で困ってるだろうって思い込んでいたなんて。

その妊婦さんにもお腹の中の4人の赤ちゃんにも
とっても失礼なことをしたと思いました。
どうして、4つの命を同時に授かったことを
いっしょに喜んであげられなかったのか・・・
助産師失格だと思いました。

その方は無事、帝王切開で4人の赤ちゃんを産みました。
4人とも何の障害もなく大きくなっています。
ご両親の愛情に包まれて。

今朝のH先生の涙で思い出した、回顧録でした。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索